この下に並ぶ文章は、禁煙して２か月ぐらいの時に書いたものです。

今、禁煙して４か月になるところですが、はっきり言って、

「恥ずかしくてしにそう」です。

今の私は、「タバコが吸いたいなあ〜」と常に思ってるし（ただ、吸っちゃうと今までの禁煙が無駄になるから、それが嫌で我慢してるけど）、「やっぱ禁煙って大変だわ」としみじみ思ってます。

という今の私から見ると、「禁煙は楽しいよ！やってみて！」などとしゃあしゃあとほざいているこの文章がもう恥ずかしくて恥ずかしくて(^^;;。

思ってたよりずっと簡単に禁煙ができたもんで、舞い上がって「禁煙なら私にまかせて〜！」というみょーな自信をつけちゃって、偉そうに講釈たれたくなって書いた文章なんですよねえ。お調子者まるだし。

ああやだやだ、恥ずかしくて自分で読み直すのもいやなんですけど、まあこんな文章でも、「２か月禁煙するとこれほどハイになれる」っていう見本にはなると思うので、残しておこうと思います(^^;;。

私は１９歳の時から２１年間喫煙していて、その間、禁煙を試みたのは３回、最高禁煙日数は３日でした。「私には禁煙は一生無理」と思っていたので、禁煙に努力する気もなく、毎日吸いたいだけ吸っていました。

その私が今、禁煙して２か月を迎えようとしています。しかも、「吸いたいのに無理して我慢している」わけではないので、「このままいくと本当に禁煙できるのではないだろか」と思えるのです。これは私にとって、本当に画期的なことであり、「夢じゃないか」とほっぺたをつねりたくなるくらい嬉しいことであります。

そして、禁煙できたことで、自分が本当に幸せなこんころもちになれたので、これはぜひ、他の喫煙者のかたがたにも勧めたい、さらに「禁煙したいのにできない人」の助けになったりしてみたい、と強く思ったのでございます。

というわけで、これから私の禁煙の失敗談だの、喫煙の思い出だの恨み言だのをつらつらと語らせていただくことにします。タバコに対する考え方は人それぞれだと思いますが、とりあえず吸う人も吸わない人も、暇があったら読んでみて下さいね。

とりあえず、思い付くまま並べてみます。

●禁煙場所に行けるようになった。

私は実は、自分で喫煙してて、ばんばん煙を吐き出していたけど、他人の煙を吸うのは嫌でした。だってけむいんだもん(^_^;)。

　喫煙車とか喫煙席とか、本当に煙だらけで、空気がまっしろになってたりするけど、できればあんな場所じゃなく、空気のきれいなところでタバコを吸いたい。だけど、「自分もタバコを吸って空気を汚しているくせに、空気のきれいなところに行きたいとは言語道断、ふざけんな」と思われることは承知しているので、しょーがなく「煙のたちこめる喫煙場所」で我慢して吸っていたんです。

　だから今、堂々と「空気のきれいな禁煙場所」に入れるのが、本当に嬉しいです。

●火事の心配が減った。

タバコの火って、消したつもりでもちゃんと消えてなかったりするので、油断がならないんですよね。外出してから「灰皿、大丈夫かな」と不安になることもしばしば。
そういう「タバコの不始末」の心配がなくなったことが、素直に嬉しいです。

●タバコにお金を使わずにすむようになった。

うん、これは本当に良かった。高いもんね。しかもほとんど税金だもんね。税金なんて、なるべく払いたくないもんね（非国民？）。

●健康に気を使いやすくなった。

「タバコを吸いつつも、健康のために努力」したっておかしくないと思うんですよ。「早く死にたくてタバコを吸ってる」わけじゃないんだから、病気の心配をしないですむ吸い方があるならそうしたいし、逆に、「タバコを吸ってるからこそ、吸わないひとより健康に気を使う必要がある」と思うんです。

「ダイエットしてるけど、甘いものをやめられない女の子が、甘いものを食べるかわりにご飯を減らす」のと一緒で、「タバコがやめられないから、タバコ以外の毒物を摂らないようにする」のは基本だと思うんです。

んだけどこれ、理解してもらえないんですよねえ。「健康に気を使いたいなら、まずタバコをやめろ」と言われるし、「タバコを吸ってる時点で、健康に気を使ったって無駄」と言われて、体にいいことをしようとすると笑われてしまいます。

でもタバコをやめた今は、「添加物の少ない奴を食べたい」とか、「焦げたトーストは食いたくない」とか「寝不足は美容に悪いから寝る」とかゆっても、バカにされないのです。ああ幸せ。

●タバコのせいでミジメな思いをしないですむようになった。

タバコを吸っている時は、自分のことを「意志の弱い人間（だからタバコをやめられない）」と思っていたので、タバコを吸わない人や、吸ってたけどやめた人に対して、卑屈な気持ちを持ってました。

他にも、夜中にタバコが切れて、あわてて買いに出かけた時、灰皿のある場所を探して右往左往してる時、「どうして我慢できないの？」と人に言われた時など、「私って本当にダメな人間だなあ」と情けない気持ちになりました。

一番いやだったのは、難病に苦しむ子供たち、健康になるために、痛い治療やつらいリハビリに耐えてがんばっている子供たちの話を見たり聞いたりした時です。
健康な体を持ちながら、わざわざ体に毒を入れるような「喫煙」をしている自分は、どんなにかその子供たちにとって許せない存在だろうな、と思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。申し訳ないと思うのに、それでもタバコをやめられない自分にまた自己嫌悪。

そういう自己嫌悪にひたる必要がなくなったってことは、非常に喜ばしいことです。

●体の調子が良くなった（気がする）。

タバコをやめてから３週間ぐらいは、吸ってる時より体調が悪かったもんで（咳が止まらない、首や腕に謎のじんましん、口の端が荒れて痛いなど）、「タバコ吸ってたほうがずっと健康だった気がする」と思っていたんですが(笑)、このごろはそういう体の不調もなくなったので、「なんか前より、動くのがつらくなくなったような気がする」と思ってます。気のせいかもしれんが。

●タバコの値上げが他人事になった。

値上げのたびに、「買いだめするか、思いきってこの機会に禁煙するか」を考える喫煙者は多いと思います。「大量に買いだめ」した場合は、「もったいないから全部吸い終わってから禁煙しよう」と思うから、禁煙しにくくなるし、「あんまり長く置いておくと湿気るから、早く吸おう」と思って普段より吸うペースがあがっちゃったりします。

だからっつって買いだめしないでいると、禁煙できなかった時に「大損」した感じがします。1箱２０円の値上げだとしたら、「買いだめしとけばこのタバコは２５０円で吸えたのに〜」と、くやしい思いで吸い続け、「次の値上げの時は、大量に買いだめしよう！」と心に決めるはずです。

以上のような理由で、値上げは喫煙者いじめであると同時に、禁煙の敵だと思います。

●家族に喜ばれた。

1週間やめたら夫と母が万歳三唱、1か月やめられた時には、五目寿司作ってお祝いしてくれました(笑)。タバコを吸うってことは、「いつガンにかかって死ぬかしれない」という心配を、家族にかけつづけるってことなんだなあ、と思いました。

●部屋の汚れが減った。

もともと掃除が嫌いな人間なもんで、汚れてても平気なんですけど、タバコ吸ってる時はその汚れが「ねばっていた（ヤニで）」のに、今は「さらっとした」汚れなので、以前よりずっと快適な汚れ方をしてるなあ、と思うわけです。

あ、あと、灰皿を置いてる場所はどうしても灰が散らばるので、テーブルも仕事机も灰だらけで、ちょっと鼻息を荒くすると灰がぶわっと舞い上がってげほげほ、ってことが日常茶飯事だったんですけど、そういうげほげほがなくなったのも嬉しいことです。

●時間を有意義に使えるようになった

たとえば映画を観る時、「食事を早くすませれば、次の上映に間に合うから、早く食べてしまいましょう」という時でも、「食後の一服を吸わずにいることはできない、しかも映画館は禁煙だから、２時間禁煙することを考えたら、前もって吸いだめせずにはいられない、というわけで、次の上映時間まで、私はこの喫茶店でタバコを吸っている」ことになります。吸わない人にとっては、何の意味もない無駄な「タバコを吸うための時間」が、吸う人には必要なんです。

「何かをしている手を止めて、一服」や「一服しようとして、灰皿を探したけれど禁煙場所だらけで、喫煙できる場所を探すためのうろうろ」をしないですむのは、とても能率がいいなあ、と思います。

他にもあると思うんだけど、とりあえず私はこういう点で、禁煙して良かったと思ってます。

こう書いてみて、改めて思ったけど、禁煙して一番良かったことは、「精神的に楽になったこと」なんですよ。

禁煙することで得られるものとして、よく言われるのが「健康」と「お金」ですけど、実は「開放感」が一番の「禁煙の見返り」なんじゃないかなあ、と思うんです。

今私は、本当に嬉しいです。体からニコチンやタールという毒物が消えていってくれることも、タバコに使っていたはずのお金が手もとに残ることも、そりゃあ嬉しいけども、そういった、「タバコをやめることで得られるおまけ」よりも何よりも、「タバコをやめられた」ってこと、禁煙そのものが、とても嬉しいんです。

タバコをやめる前は、「禁煙場所や吸わない人がどんどん増えて、喫煙者にとっては生きにくい世の中になってきたけど、喫煙の喜びを得るためなら、多少の犠牲はしかたがない」と思っていました。

だから、吸わない人に汚いものを見るような目で見られたり、臭くて汚くて煙でまっしろで、目も開けていられないような喫煙室に入ったり、真冬にタバコを吸うために空き缶持って外に出て、北風にさらされて寒さに震えながらタバコを吸ったりすることを、別に不思議とも思わず受け入れていました。

でも、今思うと、ひどい虐待を受けてますよね。別に、他人に危害を加えようとしてタバコを吸ってるわけじゃないのに、軽蔑され隔離され寒空の下につまみだされて、得られるものは「発ガン性の煙」だけ。それでも「タバコが吸えて嬉しい」と思っていたんだから、変な話です。

タバコをやめて、私は「タバコが吸えて嬉しい」という気持ちから、まったく逆の、「吸わないですんで嬉しい」に変わりました。タバコをやめたことで後悔なんかしてないし、毎日のように「タバコがやめられて良かったな〜」と、しみじみ幸せを感じます。

だから他のひとにも勧めたいんです。
禁煙すると幸せな気持ちになれるし、禁煙を始めてからずっと、自分の禁断症状とかを観察するのも面白かったです。

健康のために、やめたくもないのにタバコをやめて、毎日吸いたくてたまらないのに必死の思いで我慢して、「このまま我慢していればいつか、吸いたい気持ちが薄れてくれるはず、その日まで耐えるんだ」と1日1日を悲痛な気持ちで過ごす禁煙もあります。でも、考え方ひとつで、「喫煙者だけができる面白いイベント」として、「禁煙を楽しめる」んです。「楽しんでやめられて」「やめた後は、禁煙ができた喜びでいっぱい」なんて、夢のような話じゃないですか？

タバコの話はまだ続きます。続きは「next」を押してね〜。